第三回アニメフィルムフェスティバル東京2019
DOUBLE DECKER! ダグ&キリル オールナイト
冒頭トークショーの登壇者が決まりました!
※出演者が変更となる場合がございます。
2019年10月12日(土) 新宿バルト9
3月31日、東京・新宿ピカデリーにて「『DOUBLE DECKER! ダグ&キリル』トークショー付きEXTRA一挙上映会」が行われた。イベントでは、本編では描かれることのなかったSEVEN-Oの物語が楽しめる「EXTRA」全3話を一挙上映。キリルがSEVEN-Oに配属され、ひと月ほど経った頃を描く#01「七人の刑事の日常!」、トラヴィスズ・エンジェルたちとともにキリルがパーティーに潜入捜査する#02「インファナル・アンフェア!」、SEVEN-Oの面々が温泉旅行へと出かける#03「刑事カリアゲ 湯けむり殺人事件簿!」が上映され、この日が初公開となる「刑事カリアゲ 湯けむり殺人事件簿!」では、終始客席から笑い声が上がるなど盛り上がりを見せていた。
大きな拍手の中、ステージに迎え入れられたダグ役の三上哲とキリル役の天﨑滉平。スクリーンに、この日の来場者にポストカードとしても配られた「EXTRA」のキービジュアルが投影されると、2人は「ダグとキリルが上着を脱いでいる姿がカッコいい」とトークを繰り広げる。また2月に行われた「ファン感謝祭~ライブ付応援上映~」の話題も飛び出す。当日を思い返しながら三上が「Prison of Heart」を歌い出すと、「ダブデカ」のキャラクターソングがカラオケ配信されることにも触れられ、天﨑は「2人でも行きましょうね」と誘った。さらに先日行われた打ち上げの話題になると、メインキャラクターデザインを務めた桂正和による描き下ろし色紙を手にする三上と天﨑の写真が公開された。色紙は各キャストに進呈されたといい、天﨑は「桂先生からいただいたあと、『うわー! やったー!』って、色紙を自慢して回る遊びをしてました」と当日の様子を明かした。
ここからはEX #01から#03までの場面カットとともに、各エピソードを振り返るコーナーへ。ダグの昔の同僚であるマルクの画像が映されると、天﨑は「出た!」とキリルの心境を表すかのように嫌そうな表情を浮かべる。マルクの登場を「キリルにとってはびっくり」と説明しつつも、三上に「でもすぐ仲良くなってたよね」と言われると、「そこがキリルのいいところだなと思います」と語った。さらに劇中でダグが愛用していた“あんぱんケース”について、天﨑は「あんぱんケースってなんなんですかね?」と疑問を持ちつつも「ぜひグッズ化してほしい」と希望する。三上も「あんぱんを入れたまま忘れて、何カ月後かに『あっ! そういえば!』って思い出したら、開けるのけっこう勇気いるよ?」と想像を膨らませた。
“モテない”ことを理由にSEVEN-Oに配属されたとされるダグとデリック。 三上はダグが「モテない」と言われることに1度は疑問を持ちつつも、「陰気」「唐変木」と称されていたことを挙げ、「しりとりで“る”攻めをするような男ですよ? 陰湿じゃない?」と客席を笑わせた。また#01について、天﨑は「キリルはいつもダグと相棒としてのやり取りを妄想しているけど、この話の最後では『お前と組んだら面白いと思ったからかな』と言ってもらえて。これまでにもキリルが聞いていないところで、ダグがキリルのことを話しているシーンは何度かありましたが、オンエアを通してそういったシーンを観ると、キリルを演じる人間としては感慨深いものがあった」と振り返った。
#02「インファナル・アンフェア!」ではケイに代わり、女装した“オリビア”として、大富豪が主催するパーティーに潜入することになったキリル。エピソード内で繰り返し流れる印象的な挿入歌「物理的にFall in Love」が会場に流れ出すと、客席に笑い声が響く。台本には“ラララな2人”とだけ記してあり、挿入歌が流れることを知らなかったという2人は、映像を観て衝撃を受けたと話した。#02ではキリルが女装するにあたり、ミラに特訓を受けるシーンも登場。天﨑は女性として振る舞うキリルを演じた際について、「ミラっぽく聴こえたらいいなと。兄弟なので似通っている感じがあればいいなと思いながらやらせていただきました」と述べ、観客からは賞賛の拍手が贈られた。
そして「EXTRA」の最終話となるのは、#03「刑事カリアゲ 湯けむり殺人事件簿!」。ミラとキリルが笑い合うシーンが投影されると、客席からも思わず「ああ……」と感嘆の声が漏れる。天﨑は「家族旅行はなかなかできなかっただろうと思うと、すごくいいシーン。こういうときに気付いてミラのところに行けるのもキリルの魅力」と語り、三上は「ダグだったら絶対気付かないよね。そういうところだよね」と続け、観客の笑いを誘った。そして男性陣が温泉へと浸かるラストシーンの場面カットが登場。タオルを巻くミラとキリルを薄目に見ながら「混浴っぽい」と満足げなトラヴィスが描かれる、天﨑曰く“稀に見るひどいシーン”でラストを迎えることについて、「これが一番最後のシーンですからね!? このあと空にパン(カメラを動かす)して、ダグとキリルが『おう!!』って言って終わりますからね! いろいろやってきて、一番最後にあの格好ですよ!」と訴えると、観客からは笑いと拍手が巻き起こった。
また客席からはダグがキリルのことを「キリル」呼びしたことが気になるとの声が。三上は「えっ? この話であったっけ。……あっ、そうだ!!」と思い出し、「あんなに大事に取っておいた『キリル』、あっさり言ったね! たぶん何も考えてないよ、ダグ。俺も考えてないから(笑)」と話すと、客席からは納得の拍手が贈られる。天﨑も「キリルとしては重要なことだけど、ダグにとってはすごく自然なこと。信頼関係が深まった中での『キリル』呼びだったかもしれないけど、ダグの中では『ヴルーベリ巡査』と呼ぶことと、『キリル』って呼ぶことに特別な何かはないのかも」と頷いた。
イベントの最後に、天﨑は「こうやって皆さんと一緒に作品を観られることがすごく幸せでした。今後は『EXTRA』Blu-ray / DVDのお渡し会もあります。まだまだ皆さんの前で『ダブデカ』のお話をさせていただく機会があります。これからも応援していただければ」と期待を寄せながら、「またキリル・ヴルーベリを演じられる機会があればいいなと、それは僕だけじゃなく、キャスト一同、関わってくださっている皆さんすべてが同じ気持ちだと思います。ぜひこれからも『DOUBLE DECKER! ダグ&キリル』の応援をよろしくお願いします!」と挨拶した。
一方の三上は「『ダブデカ』はこれでお話としてはひと区切り。これからはこういう機会は減ってしまうかもしれないですが、僕らとしてはやりたい気持ちはあります。打ち上げのときも霧雨アンダーテイカーのジョシュア(・K・キリサメ)くんと、ワンボックスカーでドサ回りして、皆さんと『ダブデカ』の話をしたいよねと言っていて」と語る。「もし次にお会いできるときは『ワンカットエピローグ』のように、“白髪になって皺を刻んで”いる頃になっているかもしれませんけど、それまで『ダブデカ』のことを忘れないでいてください!」とメッセージを贈った。
そしてビッケブランカによるエンディングテーマ「Buntline Special」のBGMが鳴り響く中、客席に手を振った2人は握手を交わし抱き合ったあと、笑顔で会場を去っていった。
(文:熊瀬哲子/コミックナタリー)